含み益は利益じゃない
中長期の株取引をやっていると、保有している株の株価が購入した値段よりも高くなる事は珍しくありません。
そうなると、当然ですがホクホク顔でその様子を眺める事になるでしょう。
今、自分の資金が増えている、と思いながらパソコンの画面を見つめるその瞬間が、株取引をやっている上で最大の幸福の時と言えるのかもしれません。
しかし、それは間違いです。
まだ売り注文を出して取引が成立していない状態での所謂含み益は、決して利益とイコールではありません。どうしてもその気になってしまう人が大半かと思いますが、これは絶対に取り違えてはいけないところです。
株価は常に変動しています。
ある程度長期間でそのチャートを見た場合、上昇、下降を繰り返している銘柄がほとんどだと思います。その中で、プラスに転じた事は朗報ではありますが、いつそれがマイナスに転じるかはわかりません。
過去にこういった失敗談があります。
D君という、まだ学生の人がいました。
彼は、遊び半分で株取引を始め、ある銘柄を212,000円×3株購入しました。するとその株は二日目から急上昇し、一週間で300,000円を突破しました。
思わぬ急上昇にD君は有頂天になり、このまま40万、50万と増えていく事を想像し、そのまま保有しておく事にしました。
ところが、それからはなだらかな下降トレンドを描き、一月後には250,000円、3ヶ月後にはとうとう買値の212,000円にまで落ちてしまいました。
その間、D君は一切売り注文を出しませんでした。いつかまた上がる、いつか急上昇すると思い込んでいたからです。
D君は200,000円を切っても、その銘柄を保有し続けました。そして、最終的にその銘柄の株価はどうなったかというと、120,000円前後まで落ち、そこで安定しました。安定したところで、ようやくD君は泣く泣く売ったそうです。
こういった失敗談は、決してD君だけの経験ではないでしょう。含み益の段階で既にその分のお金を儲けた気になっているから、マイナスに転じてもそれを認められない自分が生まれてしまうのです。
もし、D君は200,000円まで落ちた時点で売っていれば、最低でも損はしなくて済んだのです。それでも、含み益の残像が頭にこびりついているので、損をした気になってしまい、取り返そうと思い、保有を続けてしまったのでしょう。
このような心理状態は、あらかじめ自分にルールを課す事である程度解消できます。欲深くならず利益確定する為に、どれだけ利益が出たら絶対に売る、というルールを決めておきましょう。<