買わない勇気
株取引を始めたばかりの頃は、とにかく何か買っておきたいという衝動に駆られます。
特に、日経平均が鰻上りの日などは、前日よりプラスになっている銘柄が多く、何処を買っても利益を得られそうな錯覚に陥ります。
また、特に買いたい衝動が強くなるのは、損切りをした時、若しくは大損してしまった時です。
損失を出してしまった場合、初心者はすぐそれを取りかえさなければならないという衝動に駆られ、その時プラス表示されている銘柄に飛びつく傾向が強いですね。
一刻も早く損をなかった事にしたいという、人間の心理が表れている行動です。しかし、これらの買い衝動は非常に危険です。
特に顕著な失敗をしてしまったKさんの失敗談を例に挙げてみましょう。
Kさんは、ロプロ(8577)の株を1000株持っていました。
この株は、3月下旬に67円で買ったもので、ずっと65~70円で推移していました。そのロプロが、4月下旬いきなり急騰し、100円を突破し、更に上昇を続けたのです。
狂喜乱舞のKさんは、これは凄い事になると思い、112円の時に5000株買い増ししました。この時点でKさんは4万円以上の含み益を勝ち取っていたので、有頂天だったんですね。
しかし、終焉はあっという間でした。その後ロブロの株価は落ち、90円前後で安定するようになりました。
結局Kさんは、合計6000株を91円で全て売却する事となりました。さて、これは結果的に得したのか、損したのか、どっちでしょう?
67円×1000株+112円×5000株=627,000円で購入した株を、91円×6000株=546,000円で売却した訳ですから、8万円以上の大損でした。4万円以上の利益があったのに、8万円以上の損失。
株取引のよくある大きな落とし穴です。
そして、問題なのはこの後なんです。本来なら大きなお小遣いとなるはずだったものが、いきなり大きな出費となった事で、Kさんはカーッとなり、どうにかリカバリーしようと利益を得られそうな銘柄を必死で探し、すぐに注文しました。
しかし、そんな精神状態で正しい判断ができるはずもなく、天井で買ってしまったのです。
当然その後その銘柄は大きく値崩れし、二次災害と相成ってしまいました。
Kさんは二つのミスを犯しました。
不必要な買い増しと、損失確定後のヤケ買いです。人間、利益を得た時、損失を被った時は、通常の精神状態でいるのが非常に難しいですよね。
この時に取引をするのは極めて危険なんです。一刻も早く、買わない勇気を身に付けることが重要です。