決算前後の動き
株取引における株価の変動は日常茶飯事ですが、その動きが特に活発になる時期があります。
それは、決算の前後です。
3月期決算としている所が多いので、3~4月の動きが活発と言えます。この時期はチャンスと捕らえる人も多いようですが、同時にリスクを抱える時期でもあります。
そのリスクについて、実際にあった失敗談を元にご説明します。
とある中企業の株を、株価250円×400株で1月に購入し、ずっと保有していたAさんという人がいます。その株価はやや下降を辿り、3月中旬までに230円にまで落ちていました。
Aさんは損切りラインを10%と決めていて、225円まで落ちたら損切りするつもりでした。そんな折、決算の時期になって、保有株の会社から決算発表がありました。
結果は、上昇傾向との事でした。
それを受け、Aさんは損切りを止め、指値指数で255円を指定しました。これは、決算報告によって売買注文が増え、大きな上下動をする可能性が高くなったと判断したからです。
上下動が大きいと、損切りラインにかする可能性が高くなり、折角上昇トレンドに移行してもそれに乗れず損切り成立となってしまうからです。
しかし、結果的にそれが仇となりました。その会社の株価は、上昇という決算報告にもかかわらず、どんどん株価を下げていったのです。
それでも上昇は好材料だと思い込んでいたAさんは、いつか上がると信じ、そのまま保有し続けました。けれど、結果的には4月が終わる頃には150円まで値を下げ、Aさんは大損してしまいました。
この失敗談には、いくつものリスクが潜んでいます。まず、決算報告についてです。
上昇傾向という結果が、必ずしも株価に好影響を与えるとは限りません。横ばいや微かな上向きという程度の報告は、逆に株価を下げる可能性の方が高いのです。
これは、決算に対しての過剰な期待が原因かと思われます。「この程度か」と思われた場合は、例え上昇という報告でも下げる要素となり得るのです。
加えて、損切りラインを一度キャンセルしたのもいただけません。これを行うと、再び損切りを行う事に躊躇してしまいます。
というのも、株価は常に変動しており、上がったり下がったりします。
この上がった時の感触が残っていて、「また上がるんじゃないか」という期待感が、慎重さを食い潰してしまうのです。それを防げるのが、最初に決めておく事なのです。
まだ買った株が動いていない状態で損切りラインを引いておけば、ある程度客観的に判断できますが、一旦取り消してしまうと、上がった時の感覚が邪魔をして、中々損切りに踏み切れなくなってしまうのです。
この点には注意してください。