見せ板に騙されるな
株取引で、最も初心者が起こしやすい失敗が、板を見て判断した結果の失敗です。特に多いのが、見せ板による失敗でしょう。
ここでは、見せ板の説明と失敗談をご紹介します。
まず、見せ板というものについてです。これは、約定する意思がないのに出している注文の事です。
約定するつもりもないのに、注文を出す意味なんてあるの?と思う人も多いでしょうが、実際にはかなりの意味があります。というのも、板を見て売買のタイミングを計っている人が大勢いるからです。
見せ板は、その人物がある価格で株を売りたい場合に使われます。その売りたい株価よりも下値に、大量の買い注文を出し、分厚い買い板にします。
そして、その買い注文の多さから、「この株は買いだ!」と思わせ、他の人の買い注文を誘発します。
すると当然株価は上がりますよね。その後、自分の目標の株価になったら、そこで株を売却し、大量の買い注文を一気にキャンセルする、というものです。
こうなれば、当然その後株価は大きく値崩れします。買い注文がごっそり無くなる訳ですから。
例を挙げてみましょう。
一株80円の株があります。その板が、急に以下のようになったとします。
売り 買い
15 83
14 82
10 81
80 特87
79 11
78 10
特というのは、極めて短時間で急激な注文が行われた際に付く表示です。この場合は特買いとなります。
これを偶然目撃したある人は、「うわ、この後一気に株価が上がるぞ! 買いだ!」と思い、慌てて81円×3,000株での買い注文を出しました。
実際、これだけ買い注文がある訳ですから、買い注文=買いたい人の数と思っている人にはそう見えますよね。その後、この株は一気に82円まで上がり、買いも厚くなりました。
売り 買い
30 85
18 84
12 83
82 30
81 15
80 10
79 87
しかし、次の瞬間、一気に変化が訪れます。82円で一気に30株が約定され、79円の87株の内85株の注文が消えてしまったのです。
売り 買い
30 85
18 84
12 83
82
81 15
80 10
79 2
こうなると、一気に買い板が薄くなりますよね。
当然、危機感を感じて売ろうという人が増え、売りの圧力が強くなります。結果的にこの株はその後76円まで値を落とし、その後もじりじり交替して行きました。
81円で買ったその人は74円で損切りし、7円×3,000=21,000円プラス手数料分を、一瞬で損してしまった訳です。
見せ板は、法律で禁止されています。既に摘発された人もいます。
しかし、現状では日常茶飯事として行われています。決して見せ板に騙されないようにしましょう。