ナンピン買いは恥の上塗り
株取引の中の用語に、ナンピン買いというものがあります。
これは、所持している株の株価が下がった際に買い増しし、保有株の取得単価の平均を下げるというものです。
例えば、とある株を120,000円×10株購入したとします。この株の株価が114,000円にまで落ちたとしましょう。
この場合、114,000円で5株買い増ししたら、どうなるでしょうか?
総額は、120,000円×10株+114,000円×5株=1,770,000円という事になります。
よって、1株あたりの平均は1,770,000円/15株=118,000円となり、株価が114,000円の時点で-6,000円だったのが-4,000円となります。
この株がその後118,000円まで上がれば、通常は-2,000円だったのが、±0円となる訳です。これは、一見とても有効に思えます。
所有株は監視している場合がほとんどなので、上昇に転じるタイミングはある程度早めにわかりますし、底値での買い増しの可能性も高いでしょう。
しかし、株価というのは、中々思い通りに変動してはくれません。このナンピン買いで大損したという人も大勢いるのです。
G氏という、定年退職を迎えた方がいました。彼は、これまで蓄えてきた資産だけでは老後の生活に不安があるということで、株取引を始めました。
その際、とある銘柄を314円×10000株購入し、その動向を見守りました。数日後、この株は300円付近まで落ち込んでいました。
ただ、300円には買い注文が殺到しており、これ以上落ちることはないと判断したG氏は、301円で5000株の買い増しを行いました。
これによって、取得平均株価は314円から約310円となりました。G氏は310円に指値注文を出し、この株を売ろうと試みました。
しかし、結果として、この銘柄は300円を割ってしまいました。一度300円を割ると一気に下降し、250円近くにまでその株価を下げてしまいました。
もしG氏が300円で買い増しせずに299円で損切りしていたら、15万円の損失で済みました。ですが、結果として損失額は90万円近くに上ってしまいました。
このように、ナンピン買いは更なる損失を招く可能性があります。ナンピン買いを行うという事は、その銘柄が株価を著しく下げている状態で、こういった状況の際には人間はあまり冷静で入られません。
よって、どうしても判断が上手くできないというケースが目立ってしまいます。