市場では私情は敵
株式市場における最大の敵は、悪いニュースでも仕立筋でもありません。
自分自身です。
自分の中に、自分の足を引っ張る要素が星の数ほど存在します。これらにどう折り合いをつけていくかで、利益を得るか損失を被るかが決まるといっても過言ではないでしょう。
そんな内部の敵の中に、私情というものがあります。
これは、買った銘柄、あるいはこれから買う銘柄に対しての私情を指します。感情論で株を買うと、まず損をします。
最低限の損なら織り込み済み、という人でも、大損する可能性があります。こういった損は後々単純な金銭の損失だけでなく、精神的な負担にもなるので、絶対にやめたほうが良いでしょう。
ここで、悲惨な失敗談を一つ紹介しておきます。
Pさんという、OLの方がいます。
彼女は、浜崎あゆみさんの大ファンでした。CDもDVDも欠かさず買い、ライブにも足を運び、カラオケではいつも浜崎さんの歌を歌い、グッズなども買うくらいのファンでした。
そのファン魂から、彼女はエイベックス・グループ・ホールディングス(7860)の株を大量に購入しました。
購入したのは2000年当時で、12,500円×100株の購入でした。自分が浜崎さんの会社を、ごく一部とはいえ支えているという感覚に浸りたかったそうです。
そしてその後、株価は急落します。それでもPさんは持ち続けました。
ファン魂ですね。
しかし、株価は下がり続け、2003年には1,000円にまで落ちてしまいました。
買った株価の1/10以下です。
その後多少持ち直しましたが、再び下降し、2008年現在はほぼ同じ水準で推移しています。
Pさんは、100万円以上を捨ててしまった事になります。彼女にとって、その出費は想定内だったのでしょうか?
答えは否です。
多少の損失は覚悟していたものの、ほとんどの投資額を失ったのは完全に計算外でした。
しかし、ファンである事が損切りをためらわせ、完全な塩漬け状態にしてしまったのです。
125万円が10万円になってしまった以上、もう売ったところで大して変わらないという心境になっているのが実状です。
私情で株を買うと、手放すのが難しくなります。冷静な判断もできません。
これらは、株取引においては致命的です。私情で株を買うという行為もまた、致命的なのです。