テクニカル分析の落とし穴
株取引で株を購入する際、どういった分析の元に購入するかというと、ほとんどはファンダメンタル分析とテクニカル分析の二択と言われています。
ファンダメンタル分析は、企業の業績予想、財務、または国全体の景気、あるいはニュースなどから、その銘柄の価値を導き、相場を予想する分析法です。
一方のテクニカル分析は、相場の動きでその後の相場を予測し、分析する方法です。これら二つの分析は、どちらが優れているということはなく、どちらも有効であり、どちらもアテにならないといえます。
初心者の方はチャートを追っかけがちなので、テクニカル分析で売買を決めるパターンが多いのではないでしょうか。実際、テクニカルはファンダメンタルよりもわかりやすいと言われています。
というのも、ゴールデンクロスに代表されるように、はっきりと有利な状況がチャートを見ただけですぐわかるからです。複数の指標を総合的に分析するファンダメンタルよりもわかりやすいと言えるでしょう。
ただ、それが逆に仇となるケースがあります。
Gさんという方がいます。
彼は、テクニカル分析で株取引を行っていました。ある日、かれは比較的値動きの少なく、安定したとある銘柄を購入しました。
購入した理由は、下がり目だったその株価が安定しだし、チャート内のローソク足が十字線を描いていたからです。十字線はトレンドの転機を意味するので、今後は上昇トレンドに移行すると読んだのですね。
しかし、その銘柄は上昇する事なく、徐々に下降して行き、Gさんは「何で十字線があるのにトレンドが変わらないんだ!」という不安から精神状態を乱し、結果的に我慢できず損切りしてしまいました。
結局その後、その株は緩やかにトレンド移行し、上昇していったそうです。
こういった例は、決して少なくありません。テクニカル分析というのは、絶対ではないですし、何よりもこのテクニカル分析の動きは人間の心理状態を表しているからです。
Gさんの敗因は、テクニカル分析どおりに行かなかった焦りにありますが、これはGさんだけに起こったものではなく、数多くの人が同じ心理状態に陥ったと思われます。ですから、売り注文が増え、株価が下がった訳です。
テクニカル分析というと、いかにも機械的な響きがありますが、実際には人間の心理が幾重にも重なってできたものです。
それをしっかり理解しておかないと、こういった落とし穴にはまってしまいます。