売る勇気
株取引をしていれば、当然ですが株を所有する事になります。この株をいつ売るかによって、得をするか損をするか決まる訳です。
買うタイミングも重要ですが、それ以上に売るタイミングが重要と言えるかもしれませんね。
売るタイミングというのはとても難しく、必勝法と呼べるものはあっても、その精度は期待するほど高くはありません。
ケースバイケースという言葉がこれほど当てはまる事項は他にないというくらい、臨機応変さが求められます。折角良いタイミングで購入しても、売り時を間違えて損をしてしまう例がいくつもあります。
ここでは、その顕著な例をご紹介します。
Lくんという学生がいました。
彼は、まだ株取引を始めて4ヶ月くらいの若者です。右も左もわからず、取りあえずランキング上位の株を買ってみるという形で銘柄を選んでいました。
そんなLくんに、ある日凄まじい値上げ率の銘柄が飛び込んできました。千年の杜(東邦グローバルアソシエイツ:1757)です。
なんと二日連続ストップ高という好調っぷりでした。しかもその銘柄のチャートを調べると、ここ一月あまりで10倍くらい株価を上げるというとてつもない推移をしている銘柄だとわかりました。
当然、飛びつかないわけには行かないと、Lくんは302円で2000株購入しました。その後、この銘柄は不安定な推移を続け、ある日に至ってはストップ安→ストップ高という信じられない推移をしたりしつつ、400円を越えてきました。
この時点で20万円の利益を得たLくんは、ここで売ろう、と思い、売り注文を出そうとしました。
しかし、
注文を出そうとした瞬間、株価は急騰し、どんどん伸びていきます。
ああ、これはまだまだ伸びると判断したLくんは、注文を出すのをやめ、その行く末を見守りました。次に安定したら売ろう、と思っていたそうです。
ですが、ちょうど500円に到達したその瞬間。
考えられないほどの数の売り注文が、一気に買い注文を食い潰し、途方も無い特売りとなってしまいました。Lくんは慌てて成行注文を出しましたが、時既に遅し。
なんと、ここから三日連続でストップ安を記録し、200円まで落ちてしまいました。
もし、350円の段階で売っていれば、回避できたのですが、人間、利益が伸びている状況を目の当たりにして、それを自らの手で止めるというのは中々できないものです。安定しない株は、切りの良い数字をきっかけに、急騰、急落するパターンが多いです。
仕手株の場合、仕手筋が切りの良い数字付近で売り抜けするケースが多いので、余計に目立ちます。上記の失敗談も、この例の一つと言えるでしょう。