寄り付き直後は危険
とある銘柄において、値動きが激しくなる、出来高が急激に増えるというのは、よくある状況の一つです。
それが起こるケースとしては、筋が仕掛けた時、大きなニュースが飛び込んできた時、そして、取引開始直後と、取引終了直前の時間帯です。
そして、特に動きが激しいのは、取引開始の後の寄り付き直後です。
寄り付きとは、一日の最初、あるいは後場の最初に取引が成立する事です。つまり、その日、あるいはその日の後場で、最初に値が付いた時の事です。
これは、必ずしも取引開始の9時または12時30分ジャストに行われるとは限りません。
買い手と売り手の折り合いが付かず、誰も注文を成立させられなかった時、そして売り、買いのどちらかの注文が多すぎて特買い、特売りになった場合は、開始と同時には寄り付きません。
ここで危険なのは、後者です。
開始後すぐ寄り付かなかった場合、その銘柄には注目が集まります。そして、同時に注文が殺到します。
もし特買いだった場合は、買い板として買いに注文が集まる一方、早く注文を成立させたくて売りに出す人も増えます。結果的に双方の注文が莫大に増えるのです。
そして、その状況で寄ると、今度は一斉にもみ合いになります。売りと買いが殺到しているので、値がどんどん動くのです。この状況は非常に危険です。
それを示す失敗談を一つ紹介します。
Qさんという、まだ株を始めて間もない大学生がいました。
彼は、値動きが激しい方が、高く売りやすいと考えていました。そこで目を付けたのが、取引開始直後の寄り付きです。
寄り付きの際に買い、少し値を上げたときに売って、小遣いを稼ごうと思っていました。
しかし、そうそう上手くは行きません。彼はあっさり失敗しました。
その原因は、寄り付き後すぐ買って、その後急落した……というわけではありません。
寄り付き後暫くもみ合って、買いの力が勝って上昇した、と思った瞬間に買ったのです。上昇トレンドに乗るのを待って買った訳です。
一見、これは中々の冷静な判断と思われがちです。しかし、その結果は無残なものでした。
上昇すると思われた株価はその後ジリジリ後退し、結局始値より下に沈んでしまいました。
このようなケースが珍しくありません。
寄り付いた直後、売りと買いが殺到し、拮抗する中、どちらかに抜け出せば一気にその方向に突き進むと考えられがちですが、そういう動きをしないケースは多々見受けられます。特に、上昇した場合は注意が必要です。
株のチャートには重力がある、と考えていた方が良いかもしれません。